葉の形状によって心理的効果が違うって知ってました?

森の癒やし効果のヒミツ

森の中にいると、緑がいっぱいあって癒やされますよね?
その癒やしの効果のヒミツをご存知ですか?
ざっくり分けると3つあると思っています。

ひとつは、フィトンチッド
フィトンチッドとは、森の空気中に含まれる揮発性物質の総称で、樹が自分で放出している天然の防虫剤のようなもの。
ですがヒトに対しては、どーゆー訳か鎮静効果やリラックス効果があるんですよ!フシギですね~。本能的な嗅覚に作用するものなので、意識していなくても効果が出ているはず。
アロマテラピーの一部の精油(エッセンシャルオイル)にもフィトンチッドが含まれていると考えて良いでしょう。

もうひとつの要素は、1/fゆらぎ
ゆらぎとは規則性の中の不規則性といもいわれています。1/fゆらぎがある音は別名ピンクノイズ。人間の心拍数にも1/fゆらぎがあることがわかっていています。自然界、特に森の中には様々な1/fゆらぎの要素があり、心拍数の1/fと共鳴することでリラックス効果がもたらされると言われています。

森林浴中には、1/fゆらぎがありそうな微妙な違いを五感を総動員して丁寧に感じ取ることを、鎌倉トレイルセラピーではオススメしています。

三つ目は、バイオフィリア
バイオフィリア(Biophilia)とは、「バイオ=生命・生き物・自然」と「フィリア=愛好・趣味」を合わせた造語です。1984年に、アメリカの生物研究者であるエドワード・O.ウィルソンが提唱したもので、「人は自然とのつながりを求める本能的欲求がある」という概念です。言い換えれば、「人は自然と触れ合うことで、健康や幸せを得られる」という考え方です[国土緑化 株式会社 新しい職場環境 ~バイオフィリアの概念~から引用]。

子供の頃に森で遊んだ経験がない人やインドア派の人でも、森の中で心地よさを感じるのは、このバイオフィリアによるものだと思われます。

葉の形状が心理的効果をもたらす!?

最近の研究では、葉の形状によって人に与える心理的効果が違うということが分かってきました。

トヨタ自動車とパソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社(PBS)の共同研究によって、

  • 小さく丸い葉は「癒される」と感じる
  • 細長い葉は「集中力がアップする」と感じる
  • 大きく広い葉は「活力がアップする」と感じる

傾向があることが分かりました。その研究で作成されたのが、下の「葉の形状マップ」。とても興味深いでですね。このマップは特許出願中とのこと。

葉の形状マップ

葉の形状マップ トヨタイムズより引用

鎌倉のような里山は多様性に満ちていて、いろいろな形状の葉が混ざり合っています。そのため、森林浴中に葉の形状で特定の心理効果を狙うことは難しいですが、屋内空間の観葉植物を選ぶ際には参考にすると良いかもしれませんね。

森の癒やし効果をオフィスにも

先に紹介したバイオフィリアの概念を空間デザインに取り入れることをバイオフィリックデザインといいます。

それをサービスとして提供しているのが、先に紹介したパソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社(PBS)のCOMOREBIZ(コモレビズ)です。

鎌倉トレイルセラピーは鎌倉トレイルをサードプレイスとして考えていますが、COMOREBIZは「ワークプレース(職場環境)をライトプレース(人間に最適な自然環境)に近づけるバイオフィリア理論の実践により、独自の健康経営ソリューションを提供し、持続可能な日本の未来に貢献します。」というコンセプトです。(同社ウェブサイトから引用)

個人的にすごく関心があったので、ライブオフィスという社員な皆さんが実際にバイオフィリックデザインのオフィスで働いているところを見学させていただきました。オフィスの緑化、BGM、照明、香りなどなど細部にわたってバイオフィリックなデザインが施されていて感心。本当に心地よい空間で、是非こんなオフィスで働いてみたいと思いました!

参考ページ


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